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2024.12.27

散らかるのは『心理』の問題(vol.52)

月間クリーニングマガジンコラム

散らかるのは『心理』の問題


今月号のトピックス

  • ・散らかりは心理の問題
  • ・心と環境の切り離せない関係
  • ・執着を手放す片付け術

 年末の大掃除の後、清々しい気分で迎えるお正月は何ともいえない爽快感があります。雑然としてた室内が整理され、不要となってしまった物やゴミが一掃された美しい状態。できればこの美しい状態を長い間、保っていられたら良いのにと思うのは誰もが同じ気持ちではないでしょうか。しかしそんな期待とは裏腹に、お正月が過ぎ、通常モードの日常が帰ってくると、それに伴って大掃除後の美しかった室内はいつの間にかまた雑然とした空間に戻ってしまいます。

 どうすれば散らかりやすい室内を美しい状態に保つことができるのでしょうか? 汚れたらすぐにお掃除する「適宜清掃」や、物の数を減らしてお掃除の手間自体を減らす「断捨離」など、様々なアイディアや技術はありますが、実はどれも思ったように上手くはいかない。そう感じたことがあるのはあなただけではありません。

 実はこの「散らかる」というお部屋の状態は、片付けが上手くなったり、お掃除のやり方が上手になるだけではダメ。本当の問題は『執着』にあります。そこに住む人の心の中の『執着』を解決しないと、どれだけ片付けてもまた散らかってしまう『心理』の問題なのです。

心と環境の切り離せない関係

 心の中にわだかまりや解決されていない問題が横たわると、その気持ちと連動するように部屋の中が乱れていきます。仏教の世界ではこれを『依正不二(えしょうふに)』と言い、心の中と環境は常に一体であるという教えがあります。

 例えば『玄関』。家族全員が毎日利用する使用頻度の極めて高い『部屋』であると同時に、お客様の目にも触れる『常に整っていなければ成らない場所』ですが、この玄関、じっくり観察していると自分や家族の気分と玄 関の整い具合がリンクしていることに気付くはずです。気分が乗らない、悩みがある、そんな時は必ず玄関から乱れ始めます。そして気分や悩みが改善しない間、どんどん乱れていく。熟練の刑事は玄関の雰囲気を見るだけで犯罪が起こる場所かどうかが分かるほど、玄関という場所はそこに住む人の性格や現在の精神状態を如実に表してしまうもの。それが『依正不二(えしょうふに)』という仏教に説かれている心と環 境のつながりなのです。

 そしてこの『心と環境のつながり』が分かると『すぐに散らかってしまう』という問題の原因が、掃除のやり方ではなく問題に心奪われている『執着』にあることがお分かりいただけると思います。散らかってしまう心の中の原因も一緒にお掃除しなければならない(執着を捨 てなければならない)ということなのです。

その悩みをあらわす持ち物は?

 とは言っても何から始めたら良いのか、少しつかみどころのない話ですよね。そこで一つ、お部屋を美しい状態で保ちたいと願っている方にすぐに実行して欲しいアイディアがあります。それが『心の中の問題と関連のある物を処分する』というものです。

 気分が乗ってこない、心を煩わせる問題がある、そんな悩みを抱えているようでしたら、その悩みを象徴している持ち物を一つ選び、その物を『整理』したり『処分』することで、その悩みに対する執着の一部を取り除 いてみることをお勧めします。例えば、お金の問題を抱 えている場合は、その問題の原因となった『無駄な買い物』で手に入れた物を一掃してみたり、仕事で悩んでいる場合は仕事に関連する物を整理してみること。そうすることで心の重荷が軽くなり、それと同時に物も減り、さらに象徴する物を手放すことで間接的に『執着』を手 放すことができるはずです。散らかる原 因は心の中の『執着』にあり。ぜひ整理の一助にご活用ください。

“心と環境は一体悩みを現す物を決めて執着と一緒に手放す”